【生保二次】2021年度アクチュアリー二次試験合格体験記

はじめに

生保二次に合格したので、久しぶりに重い腰を上げてブログを書きました。

僕が受験していたときも生保二次の合格体験記を漁っていた記憶があるので(笑)、ある程度ニーズがあれば嬉しいです。

今後はオンライン英会話の体験談などブログにできればと思います。リクエストあれば教えてください!

問題形式

  • H27以降概ね形式は同じ。
  • 第Ⅰ部、第Ⅱ部に分かれており、それぞれ50点。
    • 第Ⅰ部は小問30点、中問10点×2で、小問は穴埋め、訂正、数行の記述。中問は800字程度の記述が2問。
    • 第Ⅱ部は大問が2つ。いわゆる所見と呼ばれるもの。大問1つに対し、2000~3000字程度の記述。
      • 最近は大問1つの中に①②と小問があることも多く、実質の所見部分は25点中15~20点くらい。

試験範囲

  • 教科書
    • 海外事例や歴史的な部分はここ20年ほど出題されておらず事実上の試験範囲外といえるかもしれない。
    • 穴埋め対策のために、教科書に記載のある保険業法保険業法施行規則等の法令は原文のチェックしておいた方が良いと思われる。
  • 保険計理人の実務基準
    • 保険計理人が確認すべき保険数理に関する業務内容のガイドライン。内容は以下の通り
      • 責任準備金が十分に積み立てられているか
      • 配当が公正かつ衡平に行われているかどうか
      • 保険業の継続が可能か、支払能力の充実の状況が保険数理に基づき適当であるかどうか
    • 特に生保2では頻出。業法会計では、概要は記述できるように、細部も穴埋めで覚える。
  • 監督指針
    • 金融庁が保険会社をどう監督すべきかの基準を示したもの。
    • 試験範囲に指定があるので注意。穴埋め対策がメイン。
  • 標準生命表
    • 業法会計上、責任準備金を積み立てるにあたり、死亡率をどう設定するかは指定がある。その死亡率の水準を定めたもの。
    • 教科書の標準生命表の記載は古く、「標準生命表2018の作成過程」が試験範囲になっている。

勉強時間・勉強スケジュール

6月くらいまでは「受かるわけないでしょ…」という状態だったので、あまり勉強できてません。3月までは就活があったので尚更勉強していません。

受かったのは勉強会でかなりの記述量をこなせた事が大きかったかなと思っています。

勉強時間は一次よりは少ないです。ただ、暗記は集中力を要するので一次より精神的には大変な面もあるかなと個人的には思います。

  •  12~3月
    • 勉強時間
      • 50時間
      • あまり勉強は出来ていない。
    • 理解
      • 教科書をペラペラ。生保1,2の教科書を1/3ほど読む。
    • 暗記
      • Anki用のツールを使ってみる。(結果あまりうまいものが作れず没になる)
  • 4~7月
    • 勉強時間
      • 300時間
    • 理解
      • 教科書を真面目に読み始める。アク研にあるワークブックを解きながら該当箇所を教科書等にメモしていくのが自分に当てはまったのでそれを続ける。
    • 暗記
      • 列挙系(例:責任準備金対応債券を特定する要件)等を覚え始める
    • 勉強会
      • 教科書概観、頻出の過去問について議論
  • 8~9月
    • 勉強時間
      • 250時間
    • 理解
      • 実務基準の理解。
      • 過去問に出ていない範囲も少しずつ把握する。
    • 暗記
      • 暗記をメインにし始める。Ankiを再度使用。過去問の第Ⅰ部を中心に暗記を始める。
    • 勉強会
      • 予想中問について議論
  • 10~11月
    • 勉強時間
      • 300時間
    • 暗記
      • 引き続き暗記メイン。未出問題も少しずつ覚える。
      • 監督指針もある程度の精度で暗記。
    • 所見
      • 対策を始める。たくさん読んでたくさん書く練習をする。
    • 勉強会
      • 朝夜それぞれ中問1,2問、土日は所見をみんなで書いて議論
  • 12月
    • 勉強時間
      • 50時間
    • 直近年度の過去問を見て、ヤマを張る
      • ヤマを張ったところが出たので、意外と最後の詰めが重要かも。

内容の外観

概観をつかむ上では太字の章を先に読むと良いかもしれません。

生保1

  • 1章「営業保険料」
    • 死亡率や利率といった基礎率設定の話、料率区分の話といったプライシングの基礎についての記載が充実している。所見のベースとなる。
  • 2章「解約および解約返戻金」
    • 中問として内容を出題しやすいイメージ。勉強はしやすい。
  • 3章「アセット・シェア」
    • 実務基準が重要。後は計算問題もそろそろ出そう。
  • 4章「生命保険の商品開発」
    • 生命保険がどう商品開発されるかのプロセスについて記載がある。アクチュアリアルな部分なのかと言われると疑問が残るが、実務経験の乏しい身にとっては全体像がつかめた。
  • 5章「変額年金保険」
    • 金融工学的な要素があり、理解しにくい部分も多い。
  • 6章「団体生命保険」
    • 勉強しやすい。薄いがここから5点くらい出ると思えばしっかり対策して起きたい。
  • 7章「医療保険
    • 勉強しやすい。所見にも使える内容も多い。(保険期間の短期化、待期間の設定…等)
  • 8章「再保険
    • 再保険会社に勤めていない限りイメージしにくい所が多い印象。
  • 10章「商品毎収益検証」
    • プライシングをする時、販売後も定期的に商品に対しての収益性や健全性を検証する必要がある。その際、基礎率の設定方法や収益性の指標の検討、効率的な計算を行う方法についての記載がある。これも所見のベースになると思われる。

生保2

  • 1章「生命保険会計」
    • 分厚いが、生命保険会計、特に業法会計を勉強する上では重要。
    • まず以下の内容を抑えると全体像がつかみやすいかもしれない。
      • 責任準備金の計算基礎率と保険料の計算基礎率は必ずしも同一でないこと
      • 「標準責任準備金制度」の概要
      • (広義の)責任準備金が以下で構成される
        • 保険料積立金(狭義の責任準備金)、未経過保険料、払戻積立金、危険準備金
  • 3章「契約者配当」
    • 中問になりうりそうな問題が多いが、記述が似ていて大変覚えにくい。直前詰め込め暗記しました。
  • 4章「リスク管理
    • ERMとALMに分かれている。新しい教科書だが、正直分かりにくい。教科書に記載された文章をそのまま覚えるのは容易ではないので、自分で咀嚼して自分の言葉で解答を記述する必要があると思われる。
  • 5章「事業費の管理・分析」
    • 一般の事業会社でも共通して言えることも多いような気がするので、分厚さの割には出題されうる問題は少ないかも?過去問も充実している。 
  • 6章「ソルベンシー」
    • 保険会社は保険金等の支払いを全うするための財政的基盤が必要であり、それをソルベンシーという。保険料積立金以外にも支払能力を充実させる部分があり、それを「ソルベンシーマージン」と呼ぶ。危険準備金、価格変動準備金、純資産の部等が相当する。
    • 大事な章。
  • 7章「内部管理会計
    • 業法会計はロックイン方式と呼ばれる基礎率を固定した方式であるなど、経営実態を適切に表さない場面もある。そのため、市場に整合的に保険会社の価値を評価するEVと呼ばれる指標がある。
    • 他、商品の特性ごとに収支を区分する区分経理の話など。
    • 教科書が分かりにくい。アクチュアリージャーナルやMCEVに関するレビューを参考にすると良いかも。
  • 8章「相互会社と株式会社」
    • 教科書の内容が古く、実質範囲内の部分も少ないと思われる。小問対策がメインになる?

 

参考書

  • 『ソルベンシー規制の国際動向: 保険会社の資本規制を中心に』中村 亮一
    • 教科書に記載のない経済価値ソルベンシーの規制についての記載が充実している。業法会計についても分かりやすい記載がある。
  • 『“全体最適”の保険ALM』森本 祐司、祖父江 正、松平 直之
    • ALMイシューペーパーの記載のみではALMの理解が難しいと思われ、ALMの理解促進につながると思われる。
  • MCEVは、各社の開示を見ると分かりやすい。
  • アク研の資料も有効。
  • (これ以下は読んだことは無いです)
  • 『生命再保険の基礎 生命保険・年金・第三分野商品の再保険入門』石川 禎久
    • 再保険は教科書の記載は薄いが理解が難しいので使えるかも。
  • 『経済価値ベースの保険ERMの本質』森本 祐司、松平 直之、植村 信保
    • ERMも教科書が分かりにくいので使えそう。買っている人は周りにいました。

想定される疑問

  • 実務経験が無いと無理?独学で行ける?
    • 実務経験は無い、もしくは乏しくても戦える。が、実務経験のある人の話を聞ける機会があるに越したことはない。実務経験をやっていないことによる疑問はたくさん出る。
  • 過去問以外の対策は必要?
    • 残念ながらかなり未出問題が出る。教科書に過去問の出題部分をメモして、未出範囲をあぶりだすことを推奨する。
    • 新しく教科書が改訂された部分は出題可能性が高い。
    • 監督指針、実務基準の穴埋め対策も必要。
  • 第一部、第二部の目安の点数は?
    • 所見は採点基準が不明瞭なので、必然的に第一部を固めようという方針になる。
    • 所見で20点以上取れれば足切り回避なので、第一部で40点を取ることを目標に、、というのはよく言われる。
      • ただ、第一部がかなり難しく第二部が簡単な年もあるので臨機応変に。
      • 2020の生保1はかなり小中問が難しい
  • 暗記はどれくらいの精度で必要か?書いて暗記するか、読んで暗記するか?
    • 一言一句暗記はキツイ。文章におけるキーワードをまず覚えて、そのキーワードから連想して文章を思い出すというのが良いと思われる。
    • 毎回書いていては時間がとられる。一方、ある程度書く練習を行うとアドリブ力が増すのも確か。
  • 所見ができる気がしない。
    • とにかく過去問を読む、書くことを繰り返せば、過去問の内容を引っ張ってきてアドリブで書ける部分が増えてくるはず。一回読んだ過去問の所見を見ずに書いてみるのも良い勉強になる。
    • 生保1は商品設計、基礎率設定、リスク管理手法の流れのどこかにスポットが当てられるイメージ。
    • 生保2は個別の章ごとに所見に書く内容を覚えていくイメージ。
  • 計算することはある?
    • 計算問題は100点中5点くらい。ほとんど計算しないので、アクチュアリー一次とのギャップはある。

【年金数理】2020年度アクチュアリー一次試験合格体験記

こんばんは、ぽてろーです。

今回は、年金数理2020の受験体験記を書かせていただきます。あくまでも一受験生の進め方として参考にしていただければ幸いです。

年金数理がなぜ難しいか

年金数理は個人的に一次試験最難の科目だと思っています。実際に合格点引き下げがここ10年間で3回起きています。(H23,H29,2019)

難しい理由は以下が挙げられそうです。

  1. 教科書が分かりにくい。公式をいつ使えばよいのか分からない
  2. 覚えるべき公式が少ない分、その場で考えないといけないことがとても多い
  3. 問題文が長すぎて、問題の難易度の把握が難しい

1については、ストラテジーを代用することである程度克服できましたが、

2,3については最後まで何ともなりませんでした笑演習量をたくさんとる事で何とかカバーした感があります。問題文の長さについては、ある程度ここを見ないといけないというポイントがあるのでそこに着目する癖がつくとある程度慣れるかと思います。

癖というのは具体的には以下のようなものです。ストラテジーにより詳しく掲載されていて、僕はそちらを参考にしていました。

  • 期初、期末の区別
  • 定常状態か、定常人口か
  • Trowbridgeモデルを仮定しているか
  • 財政方式は何か
  • 脱退、給付、新規加入、死亡の順序はどうなっているか

前提知識

年金数理の学習のベースとして、生保数理を学んでいることは大事です。

僕は生保数理40点くらいは取れるかなという段階で年金の勉強を始めました。

逆に、微分積分などはあまり多用せず、数学的に難しいところは少ないです。仮定をしっかり把握する力は大事になってきますが、数学的知識としては生保損保年金の中で一番算数よりだと感じます。

その点、数Ⅲなどに慣れていない方の場合、損保より年金の方が簡単に感じるかもしれません。

使用した参考書

  • 教科書

4月に勉強を始め、最初に教科書を読みました。

12月になって直前にもう1周見直ししました。

正直年金数理は教科書を読んでも分からないことがたくさんありました。

例えば、

  1. あるモデル(Trowbridgeモデル)を仮定して進められていることが多い
  2. 定常人口、定常状態の違いが分かりにくい
  3. 給与現価と人数現価の違いが分かりにくい

などが挙げられます。この辺りについては合格へのストラテジーを参照されると分かりやすくなっている部分がたくさんありました。

また、教科書の知識問題も出題されますので一読はしておいて損はなかったです。

  • 例題で学ぶ年金数理

5月ごろ、合格へのストラテジーが販売されていなかったのでこちらを最初は使用していました。何も分からないので写経してました。

ストラテジーをやれば、特にこれをこなす必要はない気がします。

  • 合格へのストラテジー

6月~7月ごろにやっていました。めちゃめちゃ有能です。

年金数理について最も詳しく書かれている参考書なのでは?というレベルに詳しく書かれているので、とても有効だと思います。

隅から隅まで重要な情報が載っています。

僕は4,5月である程度教科書のインプットがあったので最初にストラテジーに載っている問題を解き、その後過去問を解いているときに解説をちらちら見ていました。(一番最初にこの参考書に触れる方は説明から読まれると良いかもしれません。)

問題は全然自力で解けませんでした。結構解答を写経する感じでやっていました。

  • 過去問約15年分

7月中旬くらいごろに取り組みました。まいにち年金数理で1周、自分で2周取り組みました。また、難しかった問題をゼミ等で発表していました。

まいにち年金数理(Twitterで1日1問解答を見せ合う)、ゼミは大変勉強になりました。アウトプットの重要性を感じました。

自分で過去問を解くときは、年度の順番を意識して解いていました。ストラテジーは写経していましたが、過去問は何も見ず最初は解くようにしました。

合格率の低い年と高い年で全然難易度が違います。

最初はH25,H24,2018あたりを解き始め、H23のような鬼難易度の年は後回しにしていました。

初見では時間無制限で35~70点くらいでした。2回目は65~95点くらいでした。

合格率15%くらいの年で80点後半位をサクッと叩き出せると結構合格が見えてくるラインかなと個人的には感じています。

そして、解き終わった後は必ずミスノートを作り、自分のミスの傾向をためていきました。

  • 模試、年金数理人約3,4年分

直前期に腕試しがてら解いていました。過去問ばかり解いていると初見の問題文を処理する能力が衰えがちなので、これに取り組みました。

特に、年金数理は問題文が長い性質上、初見問題に定期的に触れることも大事だと思っていました。

受験の感想(殴り書きです。すいません)


概観。大問3CBかあ渋い。大問4意外といけそうやなあありがたい(後で地獄を見ます)
1(1)(2)普通に解く。
(3)年k回払いの計算基数使う問題。なんか1/6とか付ける必要あるっけ?とか頭がちらつく。5分で飛ばすと決めてたのですぐ飛ばす。ここは解いておきたかった。
(4)(5)(6)普通に解く。正誤は多分違う気がする。
(7)2n-1と2nで利回りが交互に変化する問題。普通に数値がぐっちゃぐちゃになってしまった。一旦飛ばす
(8)普通に解く


1時間経過。

 

結構いい感じ。(3)(7)も時間かけたらいけるんちゃうか…?
2(1)何か解けそうやが年金額やら定年年齢やらコロコロ変わりすぎ。(1)だけ解いて一旦飛ばす。
(2)個人平準保険料。予定死亡率を間違えて毎年5人脱退にしていることに気付かない。(2)で合わず飛ばす。

 

この辺りで多分落ちたなと思いました笑


(3)事前積立方式?なんやそれ…死んだ…定義が分からない。詰んだ。勉強不足でした、、
(4)これだけは行けた記憶があります。


1時間30分経過。


3CB。H20の問題を彷彿とさせる。
でも1週間前に運よく2回解いたので前半は埋まる。ただ時間かけすぎて20分ほど溶かしてしまい後半は一旦パス。


4EANとOANの制度設計か。なんか簡単そうちゃう?と思いきや加入年齢が若くなる謎仕様で躓く。

 

2時間10分経過。


(1)はゴリゴリS_40 とG_40を出してそれなりの答えが出せるも特別保険料が出せない。
(2)に手を付けるころには40分ほどしかなかったので大問1,2にシフト。大問4を捨てる決意。


1(3)なんか落ち着いたら普通に解ける。
1(7)式がぐっちゃぐちゃで合ってない可能性全然あるが、一応解く
2(1)の後半を一応出す。数値誤差ガバガバなので違う気がする
(2)の2番目まで、勘違いに気付いてさっさと修正。
ここで後10分。大問3も解けそうな問題あったけど今更考えても解けそうなので、確率高そうな選択肢以外全部Cにして終了。


65~70点分くらいしか解答しておらず、自信がないところもたくさんあったのでよほどのことが無い限り落ちたと思いましたが、なぜか受かっていました。

恐らく大問1で30/40、大問2で10/28、大問3で10/16、大問4で6/16くらい取れて55~58点くらいで何とか乗り切れたのかなと考えています。

 

 

2020年度アクチュアリー試験合格体験記

こんにちは!ぽてろーです。

これからアクチュアリーや学科の勉強に関するアウトプットをブログにまとめていきたいと思っています。

よろしくお願いいたします!

 

今回は、2020年度のアクチュアリー試験の試験勉強をするに至った経緯、試験勉強の感想について書きました。読んでいただけると嬉しいです!

 

科目ごとの詳しい感想は後で述べるとして、試験全般的なことについて書きます

アクチュアリーを知ったきっかけ

もともと私は中高時代は数学が好きで、そのまま教員になるつもりでした。数学の勉強だけは休憩なしに続けられたりするタイプでした笑

 

「数学を使った職業なんかないかな」と興味がわき、アクチュアリーという職業を知りました。

 

高校時代の僕の中のアクチュアリーのイメージはこんな感じです。(お花畑感満載です笑)

  • 数式を魔術のように使いリスクを管理する
  • 高収入
  • ホワイト
  • 数学を説明する職業

 

実際アクチュアリー関連のインターンに参加させて頂いたり、社会人の方のお話を聞くことで、そんなに数学はやらないよということは後で知りましたが、このイメージのまま「アクチュアリー良くない?教員より向いてるかも!」という安易なイメージで大学の進路を決めました笑

 

結局経済学部に進学することにしたのですが、またその辺りについては記事にしようかなと思っています。

アクチュアリー受験のスタート

そんなこんなで文転を遂げたのですが、当たり前ですが周りで数学をやっている人はいないし、謎の漢文の授業とかスペイン語の授業とかあったりしてアクチュアリーの興味は薄れていきました。「このまま普通に文系就職するんかなー」と思っていました。

 

そんな中、サークルにいる数学科のめちゃめちゃ頭のいい先輩(20卒の方)がアクチュアリー職の内定者であることを知り、お話を聞かせていただきました。

 

アクチュアリーにもう一度興味がわき始め、統計の授業を取ったり、2年の前期では先輩と生保数理、損保数理の授業を聴講しに行ったりしました。

が、数学はともかく生保数理と損保数理についてはちんぷんかんぷんで、「これ普通に無理では?」となっていました。

 

そんな中、その先輩からアクチュアリー試験(数学・KKT)の勉強会に誘われて、「この機会は逃すわけにはいかない」と思い参加させていただきました。

 

その先輩の同期の方何人か(同じく20卒の方)ともお会いする機会があり、この人たちもめちゃめちゃに優秀でした。先輩の中には「アクチュアリー試験ぶっちゃけ大したことないやろ」みたいなことを言っている人もいて正真正銘化け物かと思いました笑(実際化け物です)

 

勉強会では、今まで一人では全然理解が進まなかったところがスッと入ってきて、特にシミュレーションなんかは本当に先輩方の説明が上手で、本当にありがたかったです。

 

相手が分かりやすくことを本当に分かりやすく説明できる力を持つ先輩方の姿を見て心から尊敬して、「数学はそんな使わないよ」というギャップはありつつも、「本当にこの人達となら一緒に仕事したい、上司にいてほしい」と思えたのでアクチュアリーとして就職活動をすることを本格的に決め、試験受験も腹をくくりました。

 

結果的にこの先輩方とは大学2年、3年の間仲良くさせていただき、数学、KKT、損保、年金の4科目で大変お世話になりました。

そもそもアクチュアリー試験とは

アクチュアリー試験アクチュアリー職として働かれている方のほとんどが受験を課せられる試験です。

 

一次試験5科目、二次試験2科目からなり、一次試験では数学・生保数理・損保数理・年金数理・KKT(会計経済投資理論)の5科目全てを受験し、合格する必要があります。二次試験は生保コース、損保コース、年金コースがあり、3つのコースから1つ選びます。例えば生保コースの場合、「生保1、生保2」の2科目がありこの2科目を合格する必要があります。

 

一次試験に1科目以上受かっていれば研究会員、

一次試験5科目にすべて受かれば準会員、

二次試験2科目にすべて受かれば正会員になります。

 

一次試験では計算がメインの試験です。とはいえ、大学1年生の理系数学が分かっていれば十分で、ゴリゴリの数学科でないと受からないような試験ではないです。

むしろ抽象的な数学というよりは算数の能力がかなり大事になってくると思っています。

 

二次試験は実務に関する内容がメインで、数学からはかなりかけ離れます。暗記量がとても多く、教科書に載っていない新しいことや、金融庁の監督指針や法令などにも目を配る必要があります。

 

なお、アクチュアリー試験に受かっていないといわゆるプライシングや決算、リスク管理など数理的な業務ができないのか?と言われるとそういうわけでもないようです。

 

実際、例えば保険料や掛金の計算のための数式を考える時間よりも死亡率や退職率などの数値をモニタリングすることがかなり重要であり、その数字の意味を考えることが実務では求められているようですので、一次試験の内容を知っていれば完璧に業務を遂行できるわけでもないですし、業務ができれば試験受かるかというとそういうわけでもないようです。

 

しかしながら、継続的な学習が求められる専門職である以上、出世、転職、業務の幅にも影響する会社も多いとのことで、社会人の方に伺う限り試験合格のメリットはそれなりにはあるのかなと予想しています。

 

なお、新卒採用においては興味を持った時期や学科との勉強のバランスもあるということで試験科目数はほぼ見られないとのことです。かわりに数学の試験を課し、アクチュアリー試験に受かる見込みがあるかを足切りすることはあるようです。

新卒のアクチュアリー就活においては、総合職として一般的な就活力が重視されるようですので、志望動機、ガクチカ、逆質問、やりたいことなどを磨くことが求められます。

(私も就活中なので頑張ってます笑)

 

アクチュアリー試験の勉強の流れ

実際に試験勉強は次のようスケジュールで行いました。

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試験勉強スケジュール

2年から勉強してたの?暇かよ」という感じではありますが笑、2年の頃は学科の勉強メインでやって、暇なときにアクチュアリー試験の勉強をやるという感じで進めていました。

 

前述の通り最初は踏んだり蹴ったりで、損保数理なんかは1章~3章をずっとぐるぐるする、縄文時代だけめっちゃ詳しい大学受験生みたいな感じでした笑

あと、単純に自分一人ではモチベがわきませんでした。

 

その点、勉強会に参加していたりしたことがかなりモチベを上げる要因となっていたと思います。結果的に3年の9月あたりには「数学、生保あたりは受かりそう、損保、年金、KKTは40点くらいは取れる」あたりまでもっていくことができました。

 

またtwitterではやっている「まいにち○○数理」といった過去問を毎日解いてtwitterに解答をアップする儀式を行っていたこともとても勉強になりましたし、億劫な復習をしっかり行えて良かったです。

 

3年の10月~12月は量をこなす勉強が必要だと感じ、学科の勉強やらなんやらそっちのけで1日9~10時間試験勉強していました。(本当に不真面目すぎてすいませんという感じです)

アクチュアリー試験の勉強時間

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試験勉強時間

試験勉強時間についてはこのような感じです。

3年生になってからはgoodnotesというノートアプリの使用時間から勉強時間は記録しているのでまぁまぁな精度です。おそらく。

勉強方法もそれぞれ、バックグラウンドも人それぞれだと思うので一概には言えませんが1科目200~500時間くらいの勉強時間を見込む必要がありそうです。

僕の場合、数学については1年次に統計の授業を2コマとっていて、その関連の勉強もしていたり、KKTについてはミクロマクロの授業があったり投資理論について学ぶ機会があったりしたため、数学、KKTについては試験勉強時間は少なめで済んだのかなという印象です。

まとめ

アクチュアリー試験は相当大変な試験である反面、受験勉強を通じてアクチュアリーの知り合いがたくさんできたことはとてもとても大きな収穫であったと感じています。

 

アクチュアリー試験という共通の目的があるからこそアクチュアリー界隈の仲の良さは他の業種に比べてかなり魅力的です!

 

今後とも試験勉強でもお仕事でもお世話になる方たくさんいらっしゃると思いますのでよろしくお願いいたします。

損保数理一問一答スプレッドシート

編集

損保数理一問一答スプレッドシートを公開します!

2022/10/10現在:リンクが切れていたので更新しました。pdfで失礼いたします🙇

みんはや損保数理.pdf - Google ドライブ

2020/11/02現在:10章まで全て公開。

こちらは、11/01~みんなで早押しのために僕が作成した、

アクチュアリー一次試験「損保数理」からの知識問題です。

リンクは

みんはや損保数理.pdf - Google ドライブ

です。

みんなで早押しが終わり次第、随時コピー&ペーストしていきます。

工夫した点

  • 読むだけで勉強になるように、問題文をあえて長くした
  • 未出の分野についても教科書を読んで作成

ちょっと微妙な点

  • 問題文が長いため問われているものが何か把握しづらいかも
  • みんはや用に作ったため大体が語句を問う問題

このような感じです。

私自身今後過去問を解いていきますので気になったことは追記する予定です。

また、誤字脱字や問題設定等何かございましたらご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!

投資理論一問一答スプレッドシート

投資理論一問一答スプレッドシートを公開します!

2022/10/10現在:リンクが切れていたので更新しました。pdfで失礼いたします🙇

みんはや投資理論.pdf - Google ドライブ

2020/10/30:全ての試験範囲の章を公開。

こちらは、10/28~からみんなで早押しのために僕が作成した、

アクチュアリー一次試験「会計・経済・投資理論」の投資理論分野からの知識問題です。

リンクは

みんはや投資理論.pdf - Google ドライブ

です。

みんなで早押しが終わり次第、随時コピー&ペーストしていきます。

工夫した点

  • 読むだけで勉強になるように、問題文をあえて長くした
  • 未出の分野についても教科書を読んで作成

ちょっと微妙な点

  • 問題文が長いため問われているものが何か把握しづらいかも
  • みんはや用に作ったため大体が語句を問う問題

このような感じです。

私自身今後過去問を解いていきますので気になったことは追記する予定です。

また、誤字脱字や問題設定等何かございましたらご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!