【年金数理】2020年度アクチュアリー一次試験合格体験記

こんばんは、ぽてろーです。

今回は、年金数理2020の受験体験記を書かせていただきます。あくまでも一受験生の進め方として参考にしていただければ幸いです。

年金数理がなぜ難しいか

年金数理は個人的に一次試験最難の科目だと思っています。実際に合格点引き下げがここ10年間で3回起きています。(H23,H29,2019)

難しい理由は以下が挙げられそうです。

  1. 教科書が分かりにくい。公式をいつ使えばよいのか分からない
  2. 覚えるべき公式が少ない分、その場で考えないといけないことがとても多い
  3. 問題文が長すぎて、問題の難易度の把握が難しい

1については、ストラテジーを代用することである程度克服できましたが、

2,3については最後まで何ともなりませんでした笑演習量をたくさんとる事で何とかカバーした感があります。問題文の長さについては、ある程度ここを見ないといけないというポイントがあるのでそこに着目する癖がつくとある程度慣れるかと思います。

癖というのは具体的には以下のようなものです。ストラテジーにより詳しく掲載されていて、僕はそちらを参考にしていました。

  • 期初、期末の区別
  • 定常状態か、定常人口か
  • Trowbridgeモデルを仮定しているか
  • 財政方式は何か
  • 脱退、給付、新規加入、死亡の順序はどうなっているか

前提知識

年金数理の学習のベースとして、生保数理を学んでいることは大事です。

僕は生保数理40点くらいは取れるかなという段階で年金の勉強を始めました。

逆に、微分積分などはあまり多用せず、数学的に難しいところは少ないです。仮定をしっかり把握する力は大事になってきますが、数学的知識としては生保損保年金の中で一番算数よりだと感じます。

その点、数Ⅲなどに慣れていない方の場合、損保より年金の方が簡単に感じるかもしれません。

使用した参考書

  • 教科書

4月に勉強を始め、最初に教科書を読みました。

12月になって直前にもう1周見直ししました。

正直年金数理は教科書を読んでも分からないことがたくさんありました。

例えば、

  1. あるモデル(Trowbridgeモデル)を仮定して進められていることが多い
  2. 定常人口、定常状態の違いが分かりにくい
  3. 給与現価と人数現価の違いが分かりにくい

などが挙げられます。この辺りについては合格へのストラテジーを参照されると分かりやすくなっている部分がたくさんありました。

また、教科書の知識問題も出題されますので一読はしておいて損はなかったです。

  • 例題で学ぶ年金数理

5月ごろ、合格へのストラテジーが販売されていなかったのでこちらを最初は使用していました。何も分からないので写経してました。

ストラテジーをやれば、特にこれをこなす必要はない気がします。

  • 合格へのストラテジー

6月~7月ごろにやっていました。めちゃめちゃ有能です。

年金数理について最も詳しく書かれている参考書なのでは?というレベルに詳しく書かれているので、とても有効だと思います。

隅から隅まで重要な情報が載っています。

僕は4,5月である程度教科書のインプットがあったので最初にストラテジーに載っている問題を解き、その後過去問を解いているときに解説をちらちら見ていました。(一番最初にこの参考書に触れる方は説明から読まれると良いかもしれません。)

問題は全然自力で解けませんでした。結構解答を写経する感じでやっていました。

  • 過去問約15年分

7月中旬くらいごろに取り組みました。まいにち年金数理で1周、自分で2周取り組みました。また、難しかった問題をゼミ等で発表していました。

まいにち年金数理(Twitterで1日1問解答を見せ合う)、ゼミは大変勉強になりました。アウトプットの重要性を感じました。

自分で過去問を解くときは、年度の順番を意識して解いていました。ストラテジーは写経していましたが、過去問は何も見ず最初は解くようにしました。

合格率の低い年と高い年で全然難易度が違います。

最初はH25,H24,2018あたりを解き始め、H23のような鬼難易度の年は後回しにしていました。

初見では時間無制限で35~70点くらいでした。2回目は65~95点くらいでした。

合格率15%くらいの年で80点後半位をサクッと叩き出せると結構合格が見えてくるラインかなと個人的には感じています。

そして、解き終わった後は必ずミスノートを作り、自分のミスの傾向をためていきました。

  • 模試、年金数理人約3,4年分

直前期に腕試しがてら解いていました。過去問ばかり解いていると初見の問題文を処理する能力が衰えがちなので、これに取り組みました。

特に、年金数理は問題文が長い性質上、初見問題に定期的に触れることも大事だと思っていました。

受験の感想(殴り書きです。すいません)


概観。大問3CBかあ渋い。大問4意外といけそうやなあありがたい(後で地獄を見ます)
1(1)(2)普通に解く。
(3)年k回払いの計算基数使う問題。なんか1/6とか付ける必要あるっけ?とか頭がちらつく。5分で飛ばすと決めてたのですぐ飛ばす。ここは解いておきたかった。
(4)(5)(6)普通に解く。正誤は多分違う気がする。
(7)2n-1と2nで利回りが交互に変化する問題。普通に数値がぐっちゃぐちゃになってしまった。一旦飛ばす
(8)普通に解く


1時間経過。

 

結構いい感じ。(3)(7)も時間かけたらいけるんちゃうか…?
2(1)何か解けそうやが年金額やら定年年齢やらコロコロ変わりすぎ。(1)だけ解いて一旦飛ばす。
(2)個人平準保険料。予定死亡率を間違えて毎年5人脱退にしていることに気付かない。(2)で合わず飛ばす。

 

この辺りで多分落ちたなと思いました笑


(3)事前積立方式?なんやそれ…死んだ…定義が分からない。詰んだ。勉強不足でした、、
(4)これだけは行けた記憶があります。


1時間30分経過。


3CB。H20の問題を彷彿とさせる。
でも1週間前に運よく2回解いたので前半は埋まる。ただ時間かけすぎて20分ほど溶かしてしまい後半は一旦パス。


4EANとOANの制度設計か。なんか簡単そうちゃう?と思いきや加入年齢が若くなる謎仕様で躓く。

 

2時間10分経過。


(1)はゴリゴリS_40 とG_40を出してそれなりの答えが出せるも特別保険料が出せない。
(2)に手を付けるころには40分ほどしかなかったので大問1,2にシフト。大問4を捨てる決意。


1(3)なんか落ち着いたら普通に解ける。
1(7)式がぐっちゃぐちゃで合ってない可能性全然あるが、一応解く
2(1)の後半を一応出す。数値誤差ガバガバなので違う気がする
(2)の2番目まで、勘違いに気付いてさっさと修正。
ここで後10分。大問3も解けそうな問題あったけど今更考えても解けそうなので、確率高そうな選択肢以外全部Cにして終了。


65~70点分くらいしか解答しておらず、自信がないところもたくさんあったのでよほどのことが無い限り落ちたと思いましたが、なぜか受かっていました。

恐らく大問1で30/40、大問2で10/28、大問3で10/16、大問4で6/16くらい取れて55~58点くらいで何とか乗り切れたのかなと考えています。